- 固定金利と変動金利について
- 単独ローン・ペアローン・収入合算の違い
- 【筆者が勧める】住宅ローンを選ぶコツ
こんにちは!あいすです。
今回は、『住宅ローン』について解説します。
突然ですが質問です。
マイホーム購入者のうち、どれくらいの人が住宅ローンを借りているでしょうか?
ほとんどみんな借りているイメージだけど…
正解だよ!
国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査」によると、注文住宅を取得した世帯の8割近くが住宅ローンを借りています。
注文住宅 | 分譲住宅 | 中古住宅 | |
---|---|---|---|
住宅ローンを 有する世帯 | 78.6% | 62.3% | 55.6% |
私たちは、「マイホームを購入するなら、住宅ローンは当たり前」と軽く考えがちです。
しかし、住宅ローンは人生で最も多額の借金になり得ます。
適切な借入方法を見極めるために、住宅ローンの知識を深めていきましょう。
それでは、いきましょう!
みんなの住宅ローン借入額は?
マイホームの購入費用は、「頭金」と「住宅ローン」の2つに分かれます。
“頭金”=”自己資金”のこと
また、マイホームの購入費用から頭金を差し引いた金額に対して、住宅ローンを借り入れることになります。
マイホームの購入費用 ー 頭金(自己資金) = 住宅ローン借入額
マイホームの購入費用ー頭金(自己資金)
= 住宅ローン借入額
国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査」で公表されている自己資金比率を基に、マイホーム購入者の住宅ローン借入額を計算すると下表になります。
注文住宅 | 分譲住宅 | 中古住宅 | |
---|---|---|---|
購入資金(平均) | 5,436万円 | 4,747万円 | 3,141万円 |
自己資金比率 | 30.6% | 35.2% | 46.1% |
住宅ローンの借入額 | 3,773万円 | 3,076万円 | 1,693万円 |
「新築」だと、3,000万円以上の住宅ローンを組んでいることになるね!
「固定金利と変動金利の違い」を
簡単に解説
固定金利と変動金利とは
住宅ローンの金利タイプには、「固定金利」と「変動金利」の大きく2つに分けられます。
住宅ローンを借りるとき、誰しもが「固定金利」or「変動金利」を選ぶことになります。
- 固定金利…金利が変わらないタイプ
- 変動金利…金利が変動するタイプ
固定金利と変動金利の
メリット・デメリット
固定金利と変動金利には、それぞれメリット・デメリットがあります。
固定金利 | 変動金利 | |
---|---|---|
メリット | 返済額が変わらないので、資金計画が立てやすい 金利上昇の影響を受けないので、精神的に安定する | 固定金利と比べて、金利が安い 金利が下がると、返済額が減る |
デメリット | 変動金利と比べて、金利が高い 金利が下がっても、金利の見直しができない | 金利が上昇すると、返済額が増額する 金利の上昇度合によっては、教育費などにも影響する |
向いている人 | 資産・収入に余裕が無く、住宅ローンの返済額が増えると 生活に支障をきたす恐れがある人 | 資産に余裕があり、金利が大幅に上昇した際には 住宅ローンを一括で支払うことができる人 |
みんなが選ぶ金利タイプはどっち?
「三大都市圏」の集計データを紹介します。
- 三大都市圏とは
-
首都圏・・・埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
中京圏・・・岐阜県、愛知県、三重県
近畿圏・・・京都府、大阪府、兵庫県
固定金利は右肩下がり、変動金利は右肩上がりになっているのがわかります。
日本は、超低金利の時代を迎えています。
そのため、金利が大幅に低いことを背景に変動金利を選ぶ人が多い傾向にあります。
今後の金利がどうなるのかはわからないよ!
特に変動金利のデメリットはよく調べておこう!
「単独ローン」「ペアローン」「収入合算」について解説
住宅ローンは、金利の違いのほかに3つの借入方法があります。
固定金利or変動金利と同様に、住宅ローンを借りるときにはどの借入方法にするか決めておく必要があります。
「単独ローン」「ペアローン」「収入合算」それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
単独ローンとは?
夫もしくは妻が単独で住宅ローンを組む方法です。
住宅ローンを利用して自宅を購入した人の7割以上が「単独ローン」を選択しています。
ペアローンとは?
夫婦がそれぞれ住宅ローンを組む方法です。
お互いが連帯保証人になり、住宅の所有権は共有名義となります。
近年は共働き夫婦が増加していることも背景に、20代・30代の「ペアローン」選択する割合が増えています。
20代・30代の約20%がペアローンを選んでいるみたいだね!
収入合算とは?
住宅ローン申込者の収入に、配偶者や子の収入を合算して住宅ローンを組む方法です。
収入合算のなかには、さらに『連帯保証型』と『連帯債務型』の2種類に分けることができます。
連帯保証型 | 連帯債務型 | |||
夫 | 妻 | 夫 | 妻 | |
住宅ローンの 契約者等 | 契約者 | 連帯保証人 | 契約者 | 連帯債務者 |
住宅ローン控除 | 〇 | ✖ | 〇 | 〇 |
団体信用 生命保険 | 〇 | ✖ | 〇 | 金融機関による |
物件の所有権 | 〇 | ✖ | 〇 | 〇 |
取り扱い 金融機関 | 多くの金融機関 | フラット35や地方銀行など |
『連帯保証型』は、住宅ローン控除が受けられず団体信用生命保険の加入もできないが、取り扱っている金融機関が多い。
『連帯債務型』は、住宅ローン控除や団体信用生命保険の点で有利だが、取り扱っている金融機関が少ない。
どちらも、「契約者が住宅ローンを支払えなくなった時、連帯保証人もしくは連帯債務者が返済を肩代わりしなくてはいけない」という点は同じ。
「単独ローン」「ペアローン」「収入合算」の比較表
特に知っておきたい情報のみに絞って、比較表を作成しました。
単独ローン | ペアローン | 収入合算 | |
---|---|---|---|
借りられる 金額 | 少 夫の収入のみ審査 | 多 夫婦の収入を合算して審査 | 中 妻の収入の50%~100%を合算して審査 |
事務手数料 諸経費 | 1人分 | 2人分 | 1人分 |
住宅ローン 控除 | 1人分 | 2人分 | 連帯保証or連帯債務による |
団体信用 生命保険 | 夫の死亡時のみ完済 | 死亡者のローンのみ完済 | 夫の死亡時のみ完済 |
【筆者が教える】住宅ローンの最適解
結論は「変動金利+ペアローン」
筆者自身も多額の住宅ローンを組みました。
その経験から辿り着いた、最適な住宅ローンの組み方は下記のとおりです。
※金利が大幅に上昇したら、完済できるような資産を築いておく
選んだ理由が大切だよ。
この後の記事もちゃんと読んでね。
変動金利を選ぶ理由
- 変動金利で借り入れて、住宅ローン控除の恩恵を受ける。
- 金利が上昇したら、完済する。
これが最も理想的な、変動金利を選ぶ考え方です。
高額かつ長期に渡る住宅ローンは、金利が総返済額に大きく影響します。
借入額によっては、金利が0.1%上昇するだけで総返済額が約100万円も増加します。
前 | 金利上昇後 | 金利上昇|
---|---|---|
借入額 | 5,000万円 | |
返済期間 | 35年 | |
金利 | 0.6% | 0.7% |
総返済額 | 約5,600万円 | 約5,500万円 |
たった0.1%でこんなに変わるんだ…
知らなかった…
今後の金利予測は誰にもできません。
0.1%以上の上昇もあり得ます。反対に金利が下がる可能性も否定できません。
モゲチェックで住宅ローンの低金利ランキングを見ると、変動金利は0.27%・固定金利は1.08%になっています。(2024年7月時点)
この金利で総返済額を単純計算すると、約800万円もの差が出ます。
変動金利 | 固定金利 | |
---|---|---|
借入額 | 5,000万円 | |
返済期間 | 35年 | |
金利 | 0.27% | 1.08% |
総返済額 | 約5,200万円 | 約6,000万円 |
変動金利は上がる可能性があるけど…
800万円の差はすごいね。
さらに『変動金利0.27%・固定金利1.08%』を基準にして、変動金利が上昇した場合について考えると、
- 金利が1.08%まで上がらなければ、変動金利のほうが得。
- 金利が1.08%を超えそうであれば、完済する。
このような対応が出来るようであれば、固定金利を選ぶ理由はありません。
もちろん、人によって資産や収入は異なります。
「いつ金利が上昇するかわからないという不安を感じたくないから固定金利が良い」という人もいるでしょう。
今回紹介した例は、あくまでも合理的な最適解です。
最適解を知ったうえで、自分に合った住宅ローンの組み方を検討すると見え方が変わってきます。
ペアローンを選ぶ理由
住宅ローン控除の恩恵を最大限受けることが出来るのが、ペアローンだからです。
住宅ローン控除とは
制度って難しい言葉で書かれてて、いまいちわからないよね…
わかりやすく言い換えると、
家を購入すると税金がとってもお得になる!
それが、住宅ローン控除だよ。
「税金がお得になる」ことに囚われて、夫婦共働きでなければ返せない額のローンを組むことは避けましょう。
将来に何が起こるかは予想できません。病気や親の介護で収入が途絶えてしまうことは十分考えられます。
夫婦どちらか一方が働いていれば返せるローンを前提として、夫婦それぞれが住宅ローン控除を最大限活かせる額を見つけていきましょう。
[ 住宅ローン控除 シミュレーション ] と検索すると、様々な住宅ローン控除のシミュレーションサイトが出てきます。
遊び感覚で気軽に使ってみるのがおすすめです。
ペアローンの最大のデメリットは『離婚』です。
『離婚』しても、住宅ローンの返済は免除されません。
双方の同意がないと売却が出来ず、片方が返済しなければもう片方に返済義務が生じます。
『離婚』するほど関係が悪化しているなかで、お金や所有権の話をするのは非常にストレスです。
マイホームを購入するときに離婚することを考えるはずもありませんが、万が一のことも頭の片隅に入れておきましょう。
最後に
住宅ローンの話はいかがだったでしょうか。
なんだかすごく疲れた。難しかった。
難しい話が多かったよね。お疲れさまでした。
住宅ローンの話はとても大切だから、少しずつ勉強していこうね
マイホームは高額です。また、超長期間の支払いになります。
そのため、住宅ローンの知識は非常に大切です。
住宅ローンの選び方に正解はありません。
- 固定金利or変動金利
- 単独ローンorペアローンor収入合算
自分が置かれた状況や気持ちを踏まえて、最終的には自分で判断することになります。
そして、『自分に合った選択』をするためには知識が必要不可欠です。
今回は、筆者が「実際に住宅ローンを借りた立場」だからこそ、事前に知っておいた方が良い最低限の知識を基準に解説しました。
何か1つでも、家づくりの参考になれば嬉しいです。
以上です!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。