【解説】トリプルガラスの窓って必要?

【解説】トリプルガラスの窓って必要?
この記事でわかること
  • 窓の性能が重要な理由
  • トリプルガラスの窓のメリット・デメリット
  • トリプルガラスは必要なのか

家の断熱性能が重視される今の時代。
断熱性能の高い家にするために、トリプルガラス樹脂サッシの窓が採用されることが多いです。

トリプルガラス?樹脂サッシ?

窓の構造のことだね。詳しく説明していくよ!

トリプルガラスの窓は確かに断熱性能が高いです。
しかし筆者が家づくりをする中で、「ただ窓を変えればいいというわけではない」ことを学びました。

今回は、トリプルガラスの窓について、その性能必要性を解説します。
ぜひ最後までご覧ください。

それではいきましょう!

目次

窓の構造の違い

窓にはいくつかの種類があり、様々な形様々な構造の特徴があります。
ここでは構造の違いについて解説します。

現代の戸建て住宅に採用される窓は、主に以下のようなものです。

サッシ
  • アルミ樹脂複合サッシ
  • 樹脂サッシ
窓ガラス
  • 複層ガラス(ペアガラス)
  • トリプルガラス

この中でも更に、

  • 割れにくい防犯ガラス
  • ガラスの層の間にアルゴンガスを封入したもの

などに分けられます。

一昔前までは、アルミサッシの単板ガラスが使われてたみたいだね!

この構造の違いが、断熱性能の差に繋がります。

  • アルミより樹脂のほうが熱伝導率が低いため、樹脂サッシのほうが断熱性能が高い
  • 複層ガラスよりトリプルガラスのほうが空気の層が増えるため、トリプルガラスのほうが断熱性能が高い

このように、「トリプルガラス樹脂サッシの窓」が一番断熱性能が高いということになります。

窓の性能の重要性

快適な家を作るために大切なことはいくつかありますが、そのうちの一つが断熱性です。


断熱性とは

夏の暑さや冬の寒さを室内に入れないようにする、また室内の熱を外に逃さないようにする性能のことです。
日本の住宅においては「断熱等級」という評価基準があり、1~7の7段階で分類されています。
「設計住宅性能評価書」や「建設住宅性能評価書」に明記され、数字が大きいほど断熱性能が高いことを意味します。

この断熱性を高めるために重要なのが、窓の性能です。

前述した「断熱等級」というのは、家全体の熱損失量外皮面積断熱材の種類や厚さ等を調べて評価されます。
この評価に関わる「熱損失量」が特に多いのが窓です。

窓から逃げる熱が多いため、窓の断熱性能を高めることが重要というわけです。
窓の性能を高めれば、建物内部の熱が逃げにくくなります。
更に樹脂サッシにすることで、室内と屋外の温度差によって生じる結露を軽減できます。

トリプルガラスのメリット・デメリット

一般的に言われている、トリプルガラスのメリットとデメリットを紹介します。
主に以下のとおりです。

メリット

1.断熱性能が高い

上記で解説したように、空気の層が多くなるため断熱性能が高いです。

2.防音効果がある

3枚のガラスと空気層により、音を遮断し騒音が軽減されます。

3.防犯性が向上する

泥棒が入ろうとしても3枚のガラスを割る必要があるため、防犯性が高くなります。

デメリット

1.初期費用が高い

複層ガラスの窓よりも導入コストが高いです。

2.重い

ガラスが1枚増えることで、窓自体が重く開閉しにくくなります。

3.窓の種類が少ない

トリプルガラスに対応している窓の種類が、限られている場合があります。

4.日射取得率が減る

太陽光の室内への透過率が低くなります。

トリプルガラスの必要性

ここまでトリプルガラスの窓について解説しましたが、結局トリプルガラスは必要なのか
筆者が考えた結論は、「家の作りによる」ということです。
どういう意味なのか、筆者の経験をもとに詳しく説明します。

筆者の家は、住友林業で建てた平屋です。
窓は、北側の1箇所のみトリプルガラスのものを採用しました。
それ以外の、リビング南側の大開口窓などは、アルミ樹脂複合サッシの複層ガラスを採用しています。
筆者がなぜそのような窓の仕様にしたのか、紹介させてください。

筆者は注文住宅を建てると決めた当初から、性能の高い家にしようと色々調べました
特に断熱性能は重視しており、「トリプルガラス樹脂サッシの窓にしたほうが断熱性能が高くなる」ということも知っていたので、トリプルガラスの窓にした場合の見積もりも出してもらいました

住友林業で建てると窓ガラスは複層ガラスが標準仕様になり、トリプルガラスはオプション仕様になります。

結果的に全てをトリプルガラスにしなかった理由は、以下のとおりです。

  • トリプルガラスにグレードアップすることで、かなり増額になる見込みだった
  • 我が家のプランに合うような、スッキリしたデザインの物が無かった
  • 日射取得率が減るので、陽の光が十分活かせないことがわかった

特に3つ目の理由、「陽の光が十分活かせない」ということが決め手となり、トリプルガラスを採用しませんでした
また、我が家はリビングの天井と軒天の木目が綺麗に繋がるデザインですが、トリプルガラスを採用するとそれが綺麗に収まらないようでした。
このようなデメリットがありつつ高額にもなってしまうので、採用しませんでした。

筆者の経験からわかることは、「家の作りによっては複層ガラスのほうが向いている場合もある」ということです。

「家の作り」というのは、デザイン面の意味もあるのですが、特に重視すべきは「どの熱源を利用する作りなのか」という点です。

実は断熱性がいいだけでは意味がなく、エアコンなどの熱源があって初めて断熱性は発揮されるものです。
どのように熱源を利用するか、考え方がハウスメーカーによって異なり、大まかに以下の2パターンに分けられます。

  • 機械を使って部屋の暑さ寒さを調整する
  • 陽の光や風などの自然を利用して快適な空間を作る

この2つのうち、後者の「陽の光や風などの自然を利用して快適な空間を作る」という考え方のハウスメーカーで建てる場合、トリプルガラスのメリットを最大限活かせない可能性があります

理由は、陽の光による熱を十分取り込めないから

トリプルガラスには「日射取得率が減る」というデメリットがあります。
つまり、陽の光による熱を通しにくくする性質があるということです。
そのため、陽の光を熱源として利用するような作りには、トリプルガラスは向いていないということになります。

特に筆者のような「軒が深く出た平屋」南側の日当たりが良い立地の場合は、陽の光を利用しやすいため、トリプルガラスは必要ないと言えるでしょう。
冬は陽の光を取り入れて暖かく、夏は軒で陽の光を遮るので涼しくなります。
逆に、軒の長さがあまりなく、真夏の太陽が室内に入り込むような条件の家には、トリプルガラスの窓で恩恵を受けることができます

まとめ

今回は、「トリプルガラスの窓は必要なのか」について解説しました。
いかがだったでしょうか。

結論、トリプルガラスの窓が必要かどうかは「家の作りによる」

  • 軒によって真夏の太陽を遮り、冬は陽の光で室内を暖かくするような作りの家には、トリプルガラスは向いていない
  • 軒の出があまりなく、真夏の陽の光がしっかり室内に入ってくるような作りの家、機械の力を利用して快適な空間を保つような家には、トリプルガラスが向いている

筆者はこのように結論づけました。

トリプルガラスのメリットとデメリットを理解したうえで、採用するかどうかを決めましょう。
ハウスメーカーに日照シミュレーションをしてもらうのもおすすめです!

トリプルガラスが必要か否かに関わらず、窓の性能は暮らしを快適にするために重要なものです。
後悔しないよう、十分に検討しましょう!

以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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