【土地】親族間売買の注意点3選!

親族間売買の注意点3線
この記事でわかること
  • 親族間売買とは
  • 親族間売買の注意点
  • 筆者からのアドバイス

こんにちは!あいすです。
今回は、「親族間売買で気を付けること」をテーマに解説します。

注文住宅を建てるには土地が必要です。
そのため、自分に合った土地を探していくことになります。
そんな時、親などの親族から以下のように提案されるケースがあります。

所有している土地があるから活用して良いよ。
無料で譲ると贈与税が発生するらしいから、売買にしよう。

親族間売買には、様々なメリットがあります。
しかしそれと同時に、注意点もいくつかあるのです。
「注意点」を知らずにいると、思わぬ落とし穴にハマってしまいます。

筆者も「親族間売買」で苦労したよ

家づくりをスムーズに進めていくためにも、親族間売買の理解を深めていきましょう。
それでは、いきましょう!

目次

親族間売買ってなに?

親族間売買とは

親や兄弟などの親族間で不動産を売買することを『親族間売買』といいます。
注文住宅を建てる場合、「土地」を親族間で売買するケースが多くあります。

ここで言う『親族』には明確な範囲の規定がありません
民法725条では、親族の範囲を「6親等内の血族、配偶者、3親等内の紺族」と定めています。
しかし、不動産売買の『親族』では税金を逃れようとする「みなし贈与」が関連するので、民法の規定よりも広いと言われています。 

親族間売買が発生する理由

注文住宅を建てるうえで親族間売買に至るには、以下の理由が挙げられます。

子どもに土地を安く譲りたい

注文住宅は高額です。
子どもの金銭的負担を軽減させてあげたいという親心から親族間売買の提案があります。
無料で譲ると贈与税が発生するので、安い価格で譲るという選択に至ります。

親に資金援助したい

親が所有している土地は、いずれ相続により子に所有権が移転します。
その土地を前もって子が購入してあげることによって、親への資金援助になります。

思い入れがある土地

思い入れの強い土地は、なかなか他人に売る決心ができないものです。
そんな時、親族が注文住宅建てるために「土地を探している」状況だと、親族間の取引になるので土地を手放す決心がつきやすくなります

土地の共有名義を解消したい

相続の影響で、土地が親族間で共有名義の状態になっていることも珍しくありません。
しかし、親族間であっても共有名義はトラブルの元です。
土地の管理・活用を円滑に行うことを目的に、親族間売買で共有名義の解消を図ることがあります。

親族間売買のメリット

親族間売買のメリット
価格を柔軟に決められる
安心して売買できる
買主を見つける手間が省ける
相続のトラブル対策になる
① 価格を柔軟に決められる

親族間売買では、相場の範囲内で価格を柔軟に決めることができます。
そのため、後に説明する『みなし贈与』にならない範囲内ではありますが、価格を抑えて取引することが可能です

② 安心して売買できる

買主が親族であれば、思い入れのある土地であっても売却する決意がしやすいです
また買主側も、売主や土地の情報が見えるので安心して購入できます。

③ 買主を見つける手間が省ける

土地を売り出しても、買い手が見つからないケースがあります。
買い手が見つからない状態が続くと、精神的なストレスもかかります。
親族に売却すれば買い手を探す手間が無くなり、スムーズに取引が完了します。

④ 相続のトラブル対策になる

本人が亡くなると、本人が所有している資産は相続されます。
相続される資産のなかでも、土地などの不動産は現金と違い分割が困難です。
そのため、トラブルも発生しやすくなります。
存命中に不動産の整理をしておくことで、相続時のトラブルを回避できる可能性が高まります。

注意点については、次の項目で詳しく紹介するね!

親族間売買の注意点

注意点①:『みなし贈与』に注意

みなし贈与は、『贈与とみなす』という意味です。
双方の間で「贈与したorされた」という合意がなくても、実質的に贈与を受けた場合と同じような経済的利益があるならば、贈与があったとみなされます。 
贈与とみなされた場合、贈与税や延滞税などの重税が課される可能性があります

国税庁(よくある税の質問):個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき

個人から著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合には、その財産の時価と支払った対価との差額に相当する金額は、財産を譲渡した人から贈与により取得したものとみなされます。

引用:国税庁(タックスアンサー)No.4423

「みなし贈与」と判断されないためには、適正な価格で取引することがポイント。 
また、適正価格を確認するために不動産業者に仲介してもらうのがおすすめです。

注意点②:仲介手数料が発生する

仲介手数料は、不動産業者に仲介してもらったときに発生する手数料です。
国土交通省の規定によって、仲介手数料の上限額が定められています。

仲介手数料の上限額(400万円越えの物件)

売買価格(税抜) × 3% + 6万円 + 消費税

仲介手数料の上限額(400万円越えの物件)

スクロールできます
売買価格(税抜) × 3% + 6万円 + 消費税

そもそも親族間売買は、
不動産業者に仲介してもらわなくても良いって聞いたことあるよ?

よく知ってるね。
その通りだけど、仲介してもらうのが現実的だよ。

親族間売買では、買主が決まっているので不動産業者の仲介は必須ではありません。
しかし、不動産業者に仲介を依頼しない場合、契約書の作成や登記などの手続き・手配を全て自分たちで行う必要があります
不動産売買に詳しい人でないと難しいですよね。
そのため、不動産売買の専門家に力を借りるほうが現実的になるのです。

不動産業者に仲介をしてもらうということは、仲介手数料が発生します。
あらかじめ仲介手数料の費用を把握して、予算に入れておきましょう。 

注意点③:住宅ローンに悪影響が出る

親族間売買は、住宅ローンの審査が厳しい傾向にあります。
また、親族間売買を対象外にしている金融機関も少なくありません。

住信SBIネット銀行
引用:住信SBIネット銀行(よくあるご質問)
PayPay銀行
引用:PayPay銀行(よくあるご質問)
りそな銀行
引用:りそな銀行(住宅ローンのよくあるご質問)

筆者も親族間売買だったから、
住宅ローン選びに苦労したよ。

金融機関は、お金を貸すうえでリスクを嫌がります
親族間売買の場合、以下のようなリスクがあるので門前払いされることが多いのです。

  • みなし贈与の危険がある
  • 相続トラブルに巻き込まれる
  • 貸し出した住宅資金が別の用途に利用される

また、親族間売買を取り扱っている住宅ローンが見つかっても「不動産業者の仲介が必要」などの諸条件が追加されることがあります。

フラット35
引用:住信SBIネット銀行(よくあるご質問)

経験者からのアドバイス

筆者は、親族間売買で土地を購入しました。
親族間売買の経験者だからこそ、親族間売買で進めようと考えている人に知ってほしいアドバイスがあります。

適正な価格で売買する

『みなし贈与』を避けるために、適正価格売買しましょう。
適正価格とは言っても、高い価格ではありません。
土地の査定には、「〇〇万円〜△△万円」と幅があります。
この範囲内で、目的に応じて安い価格にするか決めることが出来ます。

相場から逸脱した価格で売買しなければ『みなし贈与』は避けられます。
売買というルールの範囲内で取引することが、売買成立後の安心感にもつながります。

不動産業者に仲介を依頼した方が良い

仲介手数料は安くありません。
そのため、不動産業者に仲介を依頼したくない気持ちもわかります。
しかし、不動産業者を仲介しないデメリットの方が大きいです。

  • 契約・登記などに専門的な知識が必要
  • 「みなし贈与」を回避するために適正な価格で取引
  • 住宅ローンの審査には不動産業者の仲介が必要

不動産業者に仲介してもらうことで、こういったケースに対応しやすくなります。

余程の理由がない限りは、
不動産業者に仲介を依頼しよう!

「住宅ローン」の審査が通りづらいことを覚悟する

親族間売買は、住宅ローンの借入に不利です。
親族間売買を対象外にする金融機関も多数あります。
そのため、

  • 超低金利の金融機関を諦める
  • 親族間売買が関係しない部分のみローンを組む

といった対応をしなければなりません。

親族間売買は、住宅ローンの借入がスムーズにいきません!
金融機関が見つからない審査に落ちるといったケースを覚悟して、不動産業者などの専門家にアドバイスを求めながら根気強く進めていきましょう。

まとめ

今回は、親族間売買の注意点について解説しました。

家を建てようとしている時、親族から「土地を譲る」と言われたら嬉しい人が多いのではないでしょうか。

  • 身内からの購入は安心
  • 土地が安く手に入るかもしれない
  • 小さい時に遊んだ思い入れのある土地だから嬉しい

しかし、親族間売買には注意点があります。
土地を譲ると言われたからいって、安易に親族間売買で進めるのは避けましょう

親族間売買で想定外のケースに陥らないためには、注意点を知っておくことが大切です
上手くいかないケースを想定しておくことで、余計なトラブルに巻き込まれなくて済みます。
筆者のアドバイスも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

親族間売買は、上手に活用できると他にはないメリットもあります。
知識を深めて、親族間売買を攻略していきましょう。

以上です!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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